【アキノ大統領の就任100日記念演説】 2010/10/15掲載

以下はニュース記事(NNA)
 
アキノ大統領の就任100日記念演説は、7日にマニラ市内のラコンソラクション大学で、フィリピン語(タガログ語を基礎とするフィリピンの国語)を使って行われた。

      

演説は、発足以来のアキノ政権の実績と成果を誇示する色彩が非常に強い内容。各種経済指標が軒並み良好なことが、強気の支援材料になったようだ。

アキノ大統領は、世界の市場は「強いペソ」を認めた、外貨準備高は9月20日時点で史上最高の523億米ドル(約4兆3,400億円)に達した、フィリピン証券取引所指数(PSEi)は4,000ポイントの大台を超え、前日(6日)の終値も4,196.73ポイントと史上最高値だった、フィリピン株式市場は今やアジアで最良の株式市場になった――などと具体的な指標や現象を列挙し、アキノ政権下の経済がいかに好調かを訴えた。

「税金無駄遣い許さぬ」 就任まで最大の公約としていたアロヨ前政権の汚職・不正追及と、腐敗の撲滅の面でも、実績を強調した。

大統領が実例として挙げたのは、一部国営企業・公的機関の経営陣が享受していた法外な手当や恩恵に対し、賞与などの特別手当を年末まで支給停止する大統領令EO第7号によって「待った」をかけた。アロヨ前政権下で一般公開入札ではなく交渉ベースで結ばれていた業者と公共事業道路省のインフラ事業を見直した結果、9億3,410万ペソ(17億8,300万円)だった事業費が実は6億ペソで済むことを突き止め、3億ペソを超える税金無駄遣いを止めた――といった点だ。

また、7月にルソン地方を襲った台風2号(アジア名・コンソン、比名・バシャン)について適切な警報を出さなかったことを理由に、当時のニロ・フィリピン気象庁(PAGASA)長官を解任したことにも言及。「納税者のおカネを取り返した。悪い制度を放置していたら、これらのおカネは無駄になるところだった」と、大統領は「税金の無駄遣いを許さないアキノ政権」を前面に打ち出した。

加えて、アロヨ前政権が獲得に失敗した米ミレニアム・チャレンジ公社(MCC)からの援助を、4億3,400万米ドル確保したことも、前政権との違いを示す証左として誇示した。

これからの政策については、「貧困対策に真剣に取り組むアキノ政権」をアピール。議会で審議中の来年度(2011年度)予算案(政府案の歳出は本年度比 6.8%増の1兆6,450億ペソ)で、子供の就学などを条件として貧困世帯に現金を支給する「条件付き現金給付(CCT)」を、本年度の100億ペソから210億ペソへと倍以上に増やすなど、福祉予算を前政権に比べ大幅に積み増したことを例示した。

アキノ大統領は、「CCTは貧困層のライフラインになる」と説明し、「われわれ(アキノ政権)は、一部の者だけが豊かになり、それ以外の人々が貧しくなっていくことを許さない」と強調した。
 
以上
 

※有言実行を期待しています。(ももんが)


             


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