【フィリピンの航空機に注意喚起発令か】  
 
2007年にフィリピンの航空機に対する安全政策・手続き・安全管理担当技術者数が米連邦航空局(FAA)の基準を満たしていないとして同局がフィリピンの航空会社所属機をカテゴリー1からカテゴリー2へ格下げしていましたが、新聞によりますと去年の10月に国際民間航空機関(ICAO)が全加盟国を対象とした国際航空安全管理監査(USOAP)で調査団をフィリピンへ派遣し調査の結果、2年前カテゴリー2に格下げされた理由の1つである「人材不足」が依然として解消されておらず、特に技師185人が必要とされる航空技術課に50人しか配属されていない現行体制について人材不足の深刻さを言及、安全な就航に必要な人員の3分の1以下と指摘されていたという事で、企業の人件費節約とは全く意味が違い乗客の命に関わる問題です。 
 
    


そして国際民間航空機関はこの調査結果を踏まえて今年8月までに問題の人材不足などが解消しない限り「フィリピンの航空機の就航と乗り入れは安全ではない」との注意喚起発令に踏み切る模様。

また欧州航空安全委員会(EUASC)も昨年調査団を派遣し再評価を実施する予定だったが、フィリピン側の体制に改善がみられない事から調査団派遣を見送り、米連邦航空局が再評価で格下げのままの場合、比航空会社所属機のアメリカへの増便は禁止され、欧州航空安全委員会が同様の評価をした場合もヨーロッパへの増便は禁止となる。

そして国際民間航空機関らか注意喚起が発令された場合、加盟国がフィリピンの航空会社の飛行機乗り入れを拒否する可能性もあるという。
 

 


米連邦航空局(FAA)はカテゴリー1への格上げ条件として「航空関連法の整備」「航空管制官や安全検査官等の人材不足解消」「エンジン検査官の免許発行を厳格化」等を要求。

フィリピンは格上げに向けて2008年に民間航空局(CAAP)を設置し航空操作・安全基準手引・技術者の給与規定等を整備したが、予算管理省や公務員委員会そして大統領府が同局の追加予算申請を承認しておらず、航空安全体制の確保に必要な航空管制官や航空操作検査官等の人材を確保できていないままの状態だという。。。
 

            


「フィリピンの航空機の就航と乗り入れは安全ではない」という事は「フィリピンの航空機は危険である」と宣言されるのと同じですから、今年5月にある統一選挙に向けてアロヨ大統領はじめ議員の皆さん自分の地元だけに地方開発補助金(通称ポークバレル)をばら撒いてばかりいないで、国際社会の一員なのですから自国の航空の安全くらいはちゃんと整備して頂きたいものです。日本からセブ島や首都圏に行く際に便利なフィリピン航空やセブパシフィックの飛行機なのですから、とても心配です。
 
   
 
(ももんが)


             


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