【住む家も土地も無い人々】     

スクウォッター(squatter)

私的にはスクワーターと聞こえるのでその様に表記していますが、一般にはスクオッターやスクウォッター、正確にはスコッター(squatter)と呼ばれていまして、都心の廃屋他の敷地に住む不法定住者、又はそうした地区のことです。今回はこのスクウォッター(squatter)の事をお話したいと思います。

日本語では「不法居住者」「不法住居区」と訳され、本来はオーストラリアのニューサウスウェールズの公有地の不法占拠者を意味した事から発生した様で「squatter」は「しゃがんだ人」「しゃがんだ動物」という意味があるそうです。フィリピンの首都マニラの住民の約4割はスコッターと推測されていて、この国の都市部にはどこにでも必ずあるスラムです。
 




問題点として生活の為に必要な電気や水道を不正使用したり貧困層集中によって、その地域がスラム化し不法居住であることから公的支援は受けられず、就業や教育の面は著しく不利になり、衛生状態が悪いので感染病が蔓延するおそれがあると共に一度スコッターになると容易にその生活を脱出させることができず階層の固定化が生じ、その環境から犯罪に手を染めるものも出て治安の悪化につながります。
 


得に都市部の住民の4割以上がスクウォッター(squatter)ではないかとされるこの国は、貧困層への援助の充実や教育や就業の機会を与えるチャンスも少なく住環境や行政サービスの改善も遅れている事から、問題の解決は容易ではありません。
 




階層の固定化が生じると子ども達は学校へ行く事さえ出来ず、日々の生活の為に家族を助けなければ生きて行けません。そして何の知識もなく公用語の英語の読み書きさえ出来ないまま育ってしまうと社会への疑問や搾取にさえ気が付かない大人になってしまい、その悪循環がずっと続いてしまうのです。
 
私達は子ども達に教育の機会を与えて自立を促すだけではなく、出来れば貧困層の子ども達への教育者・支援者・指導者に成りうる人材を育てたいと活動をしています。そして貧困に苦しむ多くの庶民の皆さんが社会への参加が出来る様になる事を願っています。





photo:TADASHI IMAI & TAKUFUMI SUZUKI


(ももんが鈴木)    


子ども達を学校へ
フィリピン NGOプルメリア
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