【水不足と井戸水】2010/04/03UP
 
今年に入って雨らしい雨が降らないままDry season(乾期)のフィリピン。
 
しかも3月から5月はSummer season(盛夏)の真っ只中で、暑いのに加えて雨が無いので心配です。雨が降らないとダムの水位は下がる一方で、水力発電に頼る国ですから電力は足りなくなり、灌漑用水も足りずに作物にも被害が出ています。

ルソン島は一応首都圏の最北端にあるここバレンズエラ市ビグナイでも、週に3日の計画断水が続いていて、マニラの線路脇スクワーター(スラム)から移転してきたリロケーション地区の人達は、水道はありませんので井戸を掘って井戸水を使っているのですが、この井戸水、近くの川というか排水路から10メートルくらいしか離れていないのです。




バランガイチェアマン(最小自治区の区長)の話では、リロケーション地区に住む貧困層の人々は水道水や濾過された安全な水を買う事は出来ないので「井戸水しかない」という意味で「ノーチョイス」と言っていましたが、工場廃水の規制は、ここフィリピンでは有って無い様なもので、上の写真の様にそのまま垂れ流されているのが現状ですから、近くの井戸水は飲料水には間違っても適していないと思います。
 
しかも最近の水不足で井戸水の需要が高まっているので、自然に濾過される間もなく排水路から高濃度の化学物質が井戸に入り込んでしまうのではないでしょうか。
 
セブ島でも井戸水や水道水は石灰成分が多く、白い石灰分が蛇口に付着し詰まってしまったりするくらいで、カルシウムの過剰摂取で泌尿器系結石、ミルクアルカリ症候群、他のミネラルの吸収抑制などが起こることが知られています。
 
石灰石はフィリピンで最も一般的な堆積岩で、殆ど全域で豊富に分布しますが、とくにセブ島は石灰石が多く、セメント生産に使用される石灰石の埋蔵量としても国内2位でした。セブ島に来られて山間部に行く機会があれば、山肌が露出している所に数メートルの白い層が縞模様のようにいくつも見られると思いますが、それが石灰岩の堆積層です。

 
この様に井戸水に頼らざるをえない人々の為に、化学物質やカルシウムなどの不純物を費用を掛けずに濾過出来る何か良い方法は無いものでしょうか。。。
 

(ももんが)


             


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