【素顔のセブ】




                   




日本からフィリピンまでの飛行時間は約4時間ということもあって、フィリピンまでは遠いと感じるかもしれませんが、日本の最西端の与那国島からフィリピン最北端のイアミ諸島までの距離は約480km・・・これは東京大阪間よりも近いのです。
 
フィリピンは約7,000もの島々が点在しますが、名前がついているのはその内わずか3,000島ほどで、5,000もの島々は無人島です。

フィリピンは便宜上3つのグループに分けられます。

ひとつは、首都マニラが位置するルソン島や、周辺の小島・ミンドロ島を含む『ルソン』。次は、観光客に人気の高いセブ島やパナイ島・ネグロス島・ボホール島・パラワン諸島を含む『ビサヤ』。3つ目は、ルソン島に次ぐフィリピン第二位の面積を誇るミンダナオ島と、東マレーシアにのびるスールー諸島を含む『ミンダナオ』です。



         


このHPのサブタイトルにもあります‘楽園の影に隠れた貧困…’

実は、この部分こそが、セブであり、フィリピンの本当の姿なのかも知れません。


        


この国の人々の構成を見てみますと、人口の1割に満たない富裕層(これはスペイン時代からの大地主の家系や、戦後に中国から入ってきた華僑の一族がここに入ります)。それと1割強の中流層、そして、8割を占める貧困層…これが実態です。


また、‘現地での教育推進活動’の中でもお話しましたが、一般的に日本の皆様に「セブ島」と理解をされているエリアは、実は「セブ島」ではなくて、セブ島の東に浮かぶ小さな島、「マクタン島」の、しかも東海岸のビーチリゾート群と言う非常に限定的な地域を指しての事ですから、この部分だけを指して、‘これがセブです’と言うに は、やはり無理があると言えるでしょう。


また、ここセブはアジアで最も古い民主国家であるフィリピン共和国の一部の筈なのですが、実は、この国の政府の陣容を見た時、地方も中央も、昔ながらの名家・大地主・土豪的な人間が構成したままで、近代と言うよりは、むしろ中世さながらの様相で、とても民主的な選挙が行われているとは信じられないような状態なんです。


            


それは、取りも直さず8割を占める一般庶民の「考える力が低い」状態の中で、いまだに金権政治が罷り通り、非常に直接的なやり方で、票を買うような、先進諸国の人間の感性からすれば「暴挙」ともいえる行いが半ば当たり前のような状態になっているからなのです。


結局は先を見越せない庶民には、経済の富は行き渡らず、貧乏人は何時まで経っても貧乏人で、昔ながらの特権階級が半ば世襲で、全てを牛耳る状態の中、インドのカースト制のような‘あからさまなシステム’は存在してはいませんが、そうした階級・格差は厳然とそこに存在しているのがフィリピンであり、セブなのです。


それ故に、その真の姿を観る為には、その「現実を理解する事」が最初の一歩となると思います。最近、日本でも‘格差社会’と言う用語が取沙汰されています。しかし、フィリピンであり、セブの素顔に目を向けた時、日本で言われる‘格差社会’と言うものが、その存在価値を無くしてしまいそうな位の現実がここセブにはあるのだと実感します。




         


例えば、フィリピンの富裕層などは、たった一晩で日本円換算にして、300万円以上も掛かるお金を簡単に出してパーティを開いたり、またカジノで同じような金額を平気で散財したりする ような者も少なからず居るのです。

場合によっては、一生をかけても、それだけの金額を稼げない貧困層もかなりの数に上っているのです。‘公共’と言う感覚にも日比間には、大きな違いがあって、乱暴な言い方をすれ ば、フィリピンには、‘公’(おおやけ)と言う感覚すら存在していない…そう言っても言い過ぎではないのではないかとさえ、感じる所があります。


例えば、今のセブ島内の事なのですが、セブ市から見てちょうど北方にあるダナオ市と言う都市があります。この都市は、街そのものがD氏という地元の名家の個人的所有物のようなもので、国内では、半公社的な位置付けの電話会社PLDTさえも、この街には電話回線を広げる事業は出来ず、この街の中では、すべての電話回線が、D氏がオーナーを務める電話会社の独占状態になっています。


         




また、日本人の観光客が接触する可能性のある一般庶民として、例えばビーチリゾートやハイクラスなレストランの経営陣、管理職を除く一般の従業員たちの生活レベルの人々は、ほぼ例外なく人口の8割である貧困層に属していて、その職場での身だしなみ立ち居振る舞いからは、彼らの日常生活のあり方、食事内容他は、まず、日本人には想像の付かないレベルにあると言って良いでしょう。


もっと具体的な話をしますと、セブにも日本でもお馴染みの世界的なファーストフードレストラン、マクドナルドや、KFCがありますが、例えば、 ビッグマックとフライドポテト、そしてソフトドリンクのバリューセットが、こ こでは、日本円換算で、290円程度の価格が付いています。

       
日本でのビックマックセットは580円なので、日本円を持っていけばセブでは約半額くらいで食べられるのですが、両国の従業員の待遇を比較したとき、日本では、アルバイトでも40分程度働けば、同セットの金額分の稼ぎをしてしまう事でしょうが、セブではフィリピン人の正社員が半日働いても、同じマクドナルドのセットの金額には達しないのです…。


         



物価が少しくらい安くても賃金自体に何倍もの違いがあります。そして、セブで、こうした職場で正社員として働く為には、最低でも大学2年を修了していなければ、書類選考で落とされて採用にはなりません。

大学へ行ったのにマクドナルドの店員にもなれないのです。

多くの場合は、4年制大学を卒業したものが正社員となれる可能性があり、最終的に店長クラスとなっても、その月給は日本円換算で、総支給額35,000円程度なのです。(物価で比較した場合、店長クラスでも日本で100,000円程度の月給で働いているのと同等になる訳です。

こうした格差、階級社会の中で、富裕層からアッパーミドルクラス(上位中流層)の家庭には、メイド、ベビーシッター(子守)、或いは運転手をおいている事が一般的です。


        


また、時折、中流層の家庭にもそうした‘ヘルパー’が居る場合もありますが、この場合、生活にゆとりがあってと言うよりも、夫婦共稼ぎをしないと生活が厳しくてやっていられない反面、子供の世話他の家事を放棄出来ない為、郡部の親戚縁者の食い詰めている者を呼び寄せて、食事の保証をし、僅かなお小遣い(月額 4,000〜5,000円程度)を渡してお手伝いして貰っていると言った感じです。


        


また、場合によっては、そうしたヘルパーが夜間のハイスクールや大学に通っているケースもあります。要は、この場合、庶民の中の持ちつ持たれつの、‘助け合い’的な色合いが濃いのかも知れません。


6人の‘勝ち組’に10数人の‘中立層’(?)それに、80人の‘負け組’。そして、負け組と、そのボーダーラインに居る者の間の助け合い…

それが、この国の基本的なシステムだと言わざるを得ません。
 

   
    


テレビで放送された活動紹介のVTRです



        家族とは・・・につづく


                                     

このページはリンクフリーですが、画像等への直接なリンク・転載等はご遠慮下さい。