NGOプルメリアに入会の時に皆様から頂くご質問 Q1. 支援の対象になる人達は誰ですか? A1. 主にフィリピン共和国セブ州及び、その周辺の貧困家庭の子供たちです。 Q2.支援の内容は何ですか? A2. 教育支援(学校へ行けるよう、就学経費を援助する事と、主たるテーマを彼らが如何に自立するかと言う事に置いた子供たちへの日々の生活指導)及び、彼らが病気になったときの医療費の援助です。医療費の援助は、栄養失調気味の彼らの病気を長引かせて学業への支障が出ないようにする為と、病気になった際の補助的な援助になります。 Q3. 何故、教育支援なのですか? A3. 途上国では、その国によって形は変われども、必ず、‘貧困’と言う問題を抱えています。その根本にある問題を調査して来ましたが、フィリピン共和国の場合には教育水準の問題に突き当たります。フィリピンでは、中世から第2次大戦後までの余りに長い植民地支配が災いして、植民地ベースでの考え方で社会が形作られている状態にあり、その結果として、 1) 極端な貧富の差(植民地時代からの大地主がそのまま残り、農地改革・解放がなされていないため) 2) 実態は国民の半数が初等教育を修了していない …と言う、大きく捉えれば上記二点の問題が生じています。実は、1)と2)には密接な関係があり、特に2)の問題を分析してみると、 @ 日本人の想像を超える極度の経済苦の為、学校へ行きたくても行けない人も多く、きちんと育てば、この国や国際社会に貢献できる資質を持った若者が貧困の中に埋もれてしまっている事。 A 庶民には最初から教育の価値が分からない者が多い。要は、‘そうした事’に庶民が目覚めると、自らの地位を脅かされる様々な特権階級他によって、勤勉よりギャンブル、貯蓄より浪費、夢より諦め、科学より宗教…と言う価値観が押し付けられ、定着してしまっている事。 この様な二つの大きな問題が見えて来ます。 Aの問題は、ある種、比国民の国民性であり、文化と捉えられている向きもありますが、一番の問題は、彼らの周辺に良い成功事例が殆どない事だと私たちは考えています。 私たちの思いは、@の‘やる気も能力もあるのにチャンスがない人たち’の中から成功事例を出し、結果として将来、Aの状態の人々をも牽引出来たらという所にあります。 それ故に、現在の所は、限られた資金力で最大の効果を生む事を目標に、支援の対象を‘やる気も能力もあるのにチャンスが無い子供達に、先ずは彼らの個人的な自立と社会への参加を支援する事、そして、その2次的な効果として、‘努力すれば必ずチャンスというものがあり社会にも参加出来るという結果’を示す事で、その周囲の人々の意識を変える事…そして成長した子供達が後進の指導や支援が出来る様になる事、そうした長期の展望に基づいた活動を志しています。 Q4. 具体的には、どんな基準や方法で生徒たちの選抜をしていますか? A4. 主に各学校の校長先生または、日本で言う生徒指導部のようなところにコンタクトし、私たちの求める生徒について、奨学生の成績標準や、私たちの活動の指針他を現地日本人担当者が直接説明して、先生方の理解を求めます。 その上で、学校から推薦のあった貧困層の生徒の家庭を現地日本人担当者が直接訪問し、本人と家族との面接をして、本人や家族の考え方、生活レベルの聞き取り調査をします。 そして、全体のバランスを考えながら、学生の最終選考をします。私達の支援で学校を卒業出来て家族と共に自立した生活が出来る可能性があるかどうか本人の性格や家族のあり方についても大いに加味するので、必ずしも成績だけが基準にはなりません。 Q5. 何故、選抜の必要があるのですか? 出来るだけ多くの人にチャンスを与える方が良いのではないですか? A5. これについては、Q3でも、簡単に説明させて頂きましたが、私たちは、その対象を絞る事で、少ない資金を本当に有効に活用して子供達の自立と成功を支えたいと考えています。 この国には、その半数にも及ぶ方々が日本の義務教育レベルにも達していないと言う実態がありますので、対象者を広げ過ぎても、吸収しきれない上、教育の価値や必要性の分からない人達も、目先の欲望(現金の支給がある。物品の支給−現金化可能−がある)によって引き込んでしまい、活動が成り立たなくなってしまう可能性が高く、これまでの活動実績を通して、必要なものを、それを必要とする子供達に対して、しっかり見守りながら供給すると言ったスタイルを確立したのです。 Q6. 具体的な支援の方法を教えて下さい。 A6. 奨学生たちには、これまでの実態調査の基づき、各学年に見合った過不足のない奨学金を毎月学校などに出向いて手渡しで支給しています。 また、彼らに病気になり治療が必要になった際には、必要な経費の支給だけに止まらず、現地スタッフが必要に応じて入院や手術の手続き、更には難しい病気への対応の際は、現地日本人スタッフが担当医と治療の方向性や予算等々についても、直接面談の上、確認する…そんなところにまで立ち入った援助をしております。 Q7. ‘自由に使える現金’を渡す事は時に危険だと聞いた事がありますが…. A7. ご指摘の通りです。ただ、実際には、こうした貧困層の子供たちが、学校教育を継続できなくなる最大の理由は、現金の不足です。中には食事もまともに摂れず、1日1食でも就学を続けている生徒もおり、こうした子供たちの就学状態は非常に不安定です。 更には、小学校等の設置基準が日本とは異なり、特に郡部の子供たちには、通学に有料の交通機関を使わざるを得ないようなケースも多く、私たちは、こうしたケースにおいても、彼らの自由裁量で使える現金を支給するのが最も効果的であると言う判断をしております。 ただ、確かに、特にこうした食い詰めた貧困家庭の子供たちを対象としているため、そうした援助が食い扶持にまわってゆく可能性が高い事も確かなので、まず、最初の段階で、家庭訪問+面接を行い、本人や家族の考え方や信用度について精査しているのです。そして、それは困窮の度合いが高いほど、厳格な調査と審査をしています。 また、その後も、現地に日本人駐在員が出向いて、彼らの成績他について調査と指導をし、問題があると判断すれば、即時、彼らやその保護者たちとも、直接、話をして問題解決にあたっています。 要は、受け手のレベルをよくよく考慮した上で、アフターケアーをしっかりする事までをも含めた支援を行っているので、実際に‘そうした事’で間違いを犯すケースは、これまで殆どありませんでしたし、これからも、私どもがそうしたスタンスでの支援を継続する限りは、それに変化はないと考えます。 Q8. NGOの経費とかで実際の支援はかなり目減りするんじゃないですか? 8. セブ島におけるプルメリアの教育支援については、現在、特定非営利活動法人プルメリアの社員正会員や活動経費の部分を支援して下さる提携スポンサーがいらっしゃいますので、一般会員・里親会員のご支援について現在ほぼ全額が里子や奨学生の為の支援に使われています。というのも特定非営利活動法人プルメリア自体が里親や支援会員だけで組織した団体だからです。日本で活動する理事役員全員が里親や支援者であり、無償で活動していますので、セブ島の子供達への皆さんの気持ちはそのまま届けられます。 ↑ |