セブ島 旅行記

 
【セブ島レポート2006−AUGUST-14】
 

【14日】

さて本日から教育支援現場の視察である。つまり学校巡りと奨学生の家庭訪問である。

しっかり休んで旅の疲れを取っておいて下さいねという権兵衛さんの心遣いであったが、
10時半からの市内の学校訪問というスケジュールまでホテルに居るなんて時間が勿体ないので、5時に起きて「マガンダン ウマガ ポ!ププンタ サ サイトシーイング タヨ!(おはようございます!市内を見に行きましょう!)」と、F氏を叩き起こしてお願いし、一緒にタクシーで市内を徘徊してもらう事にした。
 

    


何せタクシーは当たりハズレがあり、有名な場所なら良いが、細かく指示したい時に英語が通じない事もあるらしいので、タガログ語と英語と日本語が出来るF氏は必要なのである。というか、私は英語も出来ないから一人では無理である。
 

    


とりあえずアヤラセンター方面に向かいコロルド通りを南下してマキシロム通りからフェンテオスメニアに向かい、ダウンタウンを通ってサンペドロ要塞付近まで行ければ良いなと走ってもらった。昨日は日曜日という事もあって夜はジプニーも少なかったが、いるいる、昨夜トップスの山道に駐車してあった様な派手なデコレーションのジプニー達がいっぱい走っていた。
 

       

 
場所場所でもって最も使い勝手が良い交通機関の棲み分けがされている様で、市内はジプニーが多く、少し郊外になるとトライシクル、そして田舎になるとサイドカー付き自転車が多くなり、山間部では乗り合いバイクが多い。
 

              

 
市場や人が大勢居る所でタクシーに時々止まってもらって、写真を撮ったり、F氏に通訳してもらっていろいろ散策した。しかしセブの庶民の言葉はセブアノ語である、公用語が英語とタガログ語といえども、なかなかF氏も話をするのに苦労していた様で、タクシーの中でビサヤ・セブアノ語の辞書を引いていた。
 

    


セブに来る前にグーグルの衛星写真を使ったFlash Earth(http://www.flashearth.com/)でマクタン島やセブ市内の道路(車一台でも確認出来る)や建物を何度も見ていて、大体の位置関係が頭に入っていたので次の交差点を曲がると何が見えるかくらいは判っていたのだが、道路のアップダウンだけは宇宙から撮影した衛星写真では判らず、セブは平地でもかなりアップダウンがある土地なのだと実感。これが実際に来てみなければ解らない事の一つである。そして場所によって違うニオイとか温度も、車から出て歩くと違いが良く解り、権兵衛さんが南の国は暑いから人間も省エネモードになっているという言葉を実感出来た様な気がした。
 

       


さて、あまりウロウロしている訳にもいかないのでホテルにもどり、シャワーを浴びたら10時を過ぎていた。約束の10時半に権兵衛さんが迎えに来てくれて、ドライバー付きのワゴン車(1日3000ペソ)に乗り、Abellana National School (ANS) 国立アベリアナ中学校に向かう。
 

    


途中でフェンテオスメニアの両替商に寄って両替しフィルムを買った。1万円は4380ペソであった。セブ市にある国立アベリアナ中学校は、中央ビサヤ地方一のマンモス校で、生徒数は約6,000名である。どこの学校も校門ゲートには常時ガードがいるので、アポがあれば車ごと校内に入る事が出来る。


国立アベリアナ中学校は6000人もの生徒が居るので、午前の部と午後の部、そして夜間の部、さらには教室も順番に使わないとならず、次のクラスの生徒が教室の回りで空くのを待っていたりしていた。

 もう学校中が生徒だらけである。
 

     


校長室に案内され、日本の社団から視察に来た人ですと紹介を頂き、校長先生に学校の現状を聞く。このマンモス校は半分以上が貧困層の子供達で、食事も満足に摂れずにいる子供達も多く、見かねた先生が自腹で学食のパンを食べさせたりしているが、先生の給料も生活ギリギリなので大変らしい。しかし、学校へ来られる子供はまだ良い方であるという。生徒達は皆、アイロンが効いて清潔そうな制服を着ているので、誰が貧困層の生徒なのかは見分けはつかない。きっと親たちが、満足に食べられない家計でも、子供の制服だけはキチッとしてあげているに違いないのだなと感じた。
 

   


権兵衛さんが支援する奨学生達を集めてエンピツを渡し、一人一人、将来何になりたいかを聞く。看護婦や実業家や税理士などの仕事に就いて、何とか家族の暮らしを支えたいという子供達。権兵衛さんがこの国で言う「自分の命」というのは、「家族」と同じくらいの意味を持っていると解説してくれた。
 

     


         校長先生や生徒達と話をした後は校内を回り生徒達の様子を拝見。


            


小さいテーブルが付いているタイプのイスは、限られた教室のスペースに多くの生徒が入って
勉強をする為にはとても便利そうである。


            


校内にある木陰では、授業を待っている生徒達が皆で予習復習などををしていた、
最近の日本の中学では見られない光景である。
 

     


       中央ビサヤ地方一のマンモス校だけあって、校庭には生徒が溢れている。


    

 

         【セブ島レポートAUGUST-14 マンダウエ市立サイエンス中学校へ続く】


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