セブ島 旅行記 |
【セブ島レポート2006−AUGUST-14マンダウエ市立サイエンス中学校】 気が付くとすでにお昼を過ぎていたので、国立アベリアナ中学を後にして クラブウルティマの横にあるAbuhan Dos(アブハン・ドス)にて昼食を摂る事にした。ここは地元の人達がよく利用するレストランで、 Pochero(ポチェロ)という牛の肉付き脛骨を煮込んだスープを食べさせてくれる。 野菜と共にじっくりと煮込まれたこのポチェロ。スープの味もコラーゲンたっぷりの関節は靱帯付。その味も良いが、何と言っても切り落とされた骨の骨髄が抜群に旨い。その骨髄を掻き出して食べられる様に、ポチェロの器の下にはアイスキャンディーに使う棒というかヘラが添えられている。 そしてタイ米に似た御飯(プレーンライス)は臭味も無く、ポチェロのスープに浸すと丁度良い感じである。 その他、Calamaris (カラマリス:イカリングフライ)やGambas (ガンバス:エビのピリ辛炒め)なども注文したが、地元のレストランであるので、ソシアルワーカーやドライバーを含め5人で食べても 1人290ペソ程度であった。 さて昼食を終えると、次に向かったのはセブ市の隣りMandaue City Science High School マンダウエ市立サイエンス中学校である。 丁度テスト中で、イスの間隔を空ける為に教室の外へイスを出して答案用紙に向かっていた。 ここは公立ではあるが少人数制のハイレベルな中学校で、6000人を抱える国立アベリアナ中学とはちょっと違って、隣接する中学でもレベルの高い生徒だけを教えている。ここマンダウエ市立サイエンス中学校の奨学生は、全国一斉統一試験でも常に上位にランクしているそうで、ここで成績が下がってしまうと隣接する中学に移籍しなければならないのだ。 校内に入ると、日本から教育支援現場の視察があると知らされていた為か、コンピュータ室に奨学生が全員揃って待っていた。このコンピューター実習室のコンピューターも、日本からの寄付だそうである。権兵衛さんが抱える奨学生達にエンピツを渡し、将来の事を聞く。やはり「家族を助け、自立したい」為にも、医師や弁護士、そしてコンピューター関連の仕事を希望する生徒が多かった。 生徒に話を聞いたあと、権兵衛さんのNGOの奨学生でマンダウエ市立サイエンス中学校を卒業後、 現在は大学に通っている奨学生であるAさんの家を訪問する事にした。 Aさんの家は中学校のすぐ近くのスクワーターエリアにある。やはりその環境からか、 大学生でありながらも身体は非常に小さく、身長は140センチちょっとくらいだろうか。 近くに川が流れているので少しドブ臭がキツイ気もするが、 今朝からの市内の徘徊で私の鼻も慣れて来ていて「ここはそういうものだ」と 身体が認知する様になっていた。 権兵衛さんの後について路地を進み、何回か曲がると、一旦開けて広場になっていた。 広場を横切って、さらに一人がやっと通れるだけの迷路の様な路地を入っていく。 お世辞にも住宅とは呼べない狭いスペースに、各自がそれぞれに作った居住小屋が密集しており、 その一角のドアも無い上下4畳半程度の廃材で組まれたスペースで Aさんを含めた親子7人が暮らしている。 通路に面した入り口から腰を屈めて中へ入ると、四畳半程度のスペースにこの家族の生活の全てがある。 トイレは無く、周りの住民達で決めた場所で用を足すのだろうが、 今の時期は雨期なので汚物と混じった水たまりには蚊が大量に発生しやすい。 しかし住人は蚊を払うだけで殺さない様だ。キリがないから。。。 キズだらけでとてもまともに再生出来るとは思えないCDのディスクや、 鳴らなくても置いてある飾りのラジカセ。 上のスペースと合わせても普通の日本人の大人4人が寝るにはキツイだろう。 上と下を隔てている床は厚手のベニヤ板くらいである為、私は上がるのを遠慮した。 というか隙間だらけなので下からでも全部見える。 足元は土間になっていて黒く鈍い光りを放ち、日本にも居る白黒の斑のある蚊が数匹低く飛んでいたが、 汗をかいた日本人は、さぞかしご馳走に映ったに違いない。 Aさんの家を出て、車のある通りに出るまで、すれ違う住民の熱い視線を感じた。 それもそのはず、今までここへ入って来た外国人は権兵衛さんとAさんの里親さん、そして私くらい。 スクワーターエリアの外では厚顔無恥なストリートチルドレンも、 自分の居住区では恥ずかしそうに「Maayong hapon(セブアノ語でコンニチハ)」と挨拶をしてくれた。 サイエンス中学近くの川(排水路?)沿いに建てられたスクワーター 【セブ島レポートAUGUST-14 卒業生R君の家へ 続く 】 ホーム |